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Anna Kavan
伝説の名作が、全面改訳で刊行。

 異常な寒波の中、夜道に迷いながら私は少女の家へと車を走らせた。地球規模の気象変動により、氷が全世界を覆いつくそうとしていた。やがて少女は姿を消し、私はその行方を必死に探し求める。軍事独裁下の某国に彼女がいることを突きとめ、要塞のような〈高い館〉へ乗り込んだ私は、強大な力で少女を支配する長官と対峙する。

 アンナ・カヴァン(1901~1968年)は、フランス生まれのイギリス人で、カフカの強い影響を受け、SFにも幻想文学にも分類できる特異な物語世界を築いた。1967年、カヴァンは代表作となる『氷』を刊行し絶賛された。翌年の1968年、カヴァンはロンドンで心臓発作により死去。その傍らにはヘロインの注射器が置かれていた。しかし、死後にいくつもの未刊の作品が刊行され、その評価は極めて高い。

『氷』は刻々と迫り来る氷の壁、地上に蔓延する抗争と殺戮、絶望的な逃避行。恐ろしくも美しい終末のヴィジョンで読者を魅了し、世界中に冷たい熱狂を引き起したSFの伝説的名作である。"唯物論的なサイエンスファンタジーの視界を超えた領域に到達している。"とブライアン・W・オールディスは評している。

「氷」
著 者:アンナ・カヴァン、訳:山田和子
定価 1,890円(税込)
バジリコ
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