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The Brown Bunny
映画はもううんざりだ。カンヌを見たって分かるだろ?
商売になりにくい映画を理解する人なんて、もういないんだ。
 
 レーサーのバド(ヴィンセント・ギャロ)は、ニューハンプシャーでのレースを終え、マシンを黒いバンに積み込んで、ひとり次のレース地カリフォルニアへ向かう途中、幼なじみのデイジー(クロエ・セヴィニー)の実家に立ち寄る。

 娘から音沙汰がないと嘆く母親に、カリフォルニアで彼女と2人で暮らしていると告げる。時が止まっているようなその家では、遠い昔、幼いデイジーが可愛がっていた茶色の子ウサギが今も生きていた…。西への旅をさらに続け、カリフォルニアに辿り着いたバドは、一軒の家のドアを叩く……。

 5年ぶりの新作となった、ヴィンセント・ギャロのアメリカ大陸横断ロードムービーは限りなくせつない。

 旅の途中で出会う、花の名前を持つ女性たちとのふれあいも、主人公バドのやるせない心を慰めることはない。ここに描かれているのは、シーンと音楽が一体となった哀しくも美しい物語である。

 ギャロは監督・脚本・編集・製作・主演に加え、美術・撮影・ヘアメイク・衣装に至るまでを自らこなし“これしかない”を徹底的に追及している。カンヌ映画祭でセンセーションを巻き起こしたクロエ・セヴィニーとの愛のシーンもまた必然なのだ。

 この作品を”自己中”と評する向きもある。しかし、考えて欲しい。音楽や芸術に限らず、創作活動とは限りなく自己中心的な事ではないだろうか? 極論すれば、世間一般的なモノほどつまらないものは無い。ちなみに、現在公開中の作品は、カンヌで賛否両論だったフィルムをヴィンセント・ギャロ自身が再編集したものである。

the brown bunny  ・brownbunny.net
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